発展途上国へ旅をすると、たまーに出くわすトラブル。オーバーブッキング(過剰予約)。
私もインドでも体験しましたし、今回のマレーシア旅行中にマラッカで遭遇しました。
オーバーブッキングに遭ってしまい、予約していたホテル側に誠意がなく代替のホテルを探してくれなかった場合、異国の地で路頭に迷うことになります。
そうなると、せっかくの旅行が台無しどころか、もう二度と海外旅行なんか行くもんか!という残念な気持ちも生じてしまいます。
今回はこのようなオーバーブッキングに遭遇してしまった場合、どのように対処していったらよいのか、マラッカでの経験をもとに解決までを時系列にしてまとめてみました。
私の場合は代替の宿だけではなく、最終的には微々たるものですが少し返金もしてもらえたんですよ!
最近、特に増えているというオーバーブッキングトラブル。どのように対処したらよいのか不安な方は、このページを印刷して持参して下さいね。
❶ 本当はModern Cave Boutique Stayという宿に宿泊する予定だった。

私がマレーシア、マラッカ・バスターミナルに到着したのは、8月19日の朝8時30分。

そこからタクシーに乗車し、日本から海外ホテル予約サイトのAgodaを通じて予約していったModern Cave Boutique Stayに到着したのは、朝の9時前でした。
女性スタッフが対応してくれ、チェックインは14時からで、まだできないから、少し観光してきたらどうか、荷物は預かってあげるから、とのことで、スーツケースを預かってくれました。
もちろん、この時点ではオーバーブッキングしているんだ、という話はなし。
15時くらいにModern Cave Boutique Stayに戻ってきたら、支配人みたいな人が出てきて
「今日は部屋がいっぱいだから宿泊できない。ごめんなさい。」
とジュースを出してきたのです。
どうして?なんで?といろいろ突っ込んだのですが、Modern Cave Boutique Stayの支配人も英語が堪能ではないようで、私も何を言っているのか理解できませんでした。
【英語圏ではない国の英語がよく分からない…】
よく聞く話ですし、私も経験して、よく感じることの1つです。
文法にこだわって話そうとするのは、日本だけです。
「I would like to check in.」と言うよりも、「Check in please.」と言った方が相手に通じることが多いです。
相手に用件を伝えたい時は、短い文章、単語の羅列の方が正確に伝わることがありますので、意識して相手とやり取りをしましょう。 中学時代の英文法で十分ですよ! |
❷‘1511 Hotelに案内される。

「ともかく別の宿を手配したから、そちらに泊まってくれ。」
と’1511 Hotelに案内されました。
何を話しているのか分からない支配人の言葉に、いろいろ突っ込んでも埒が明かないなと思った私は、とりあえず従うことにしました。
向こうの宿のスタッフとのやり取りの方が、話が分かるかなと思ったからです。
‘1511 Hotel はModern Cave Boutique Stayから徒歩5分くらいのところにありました。
すでにModern Cave Boutique Stayの支配人と’1511 Hotelのスタッフさんとの間で話し合いは済んでいたようで、’1511 HotelにAgodaで予約した通りのお金を払ってくれ、言われ、62リンギットを支払うことになりました。
※事前のクレジット決済ではなく、現地で現金払い契約でした。東南アジア・南アジアの簡易宿はこの方式が多いです。大手のチェーンホテルはクレジット決済ができますよ。 |
支払ったのだから、レシートをくれと何度も要求しましたが、私の英語が理解できないといって、もらうことはできませんでした。
この時点で、Modern Cave Boutique Stayの支配人は、このオーバーブッキングの件をなかったことにしよう、新しい宿を紹介したのだから、隠そうと思っていたのでしょう。
1511 Hotel側が私にレシートを出すと、オーバーブッキングに遭った証拠が生まれてしまいます。
そして代わりにもらったのが、走り書きのような紙。

この紙の内容が理解できませんでした。
私は日本からWi-Fiをレンタルして行っており、常にインターネットが使える状態になっていたので、すぐに大学時代の友人たちで作るメッセンジャーグループに連絡を取り、紙の写真を送信しました。
大学時代の友人たちは帰国子女が多く、もちろん英語が堪能だから、この手の英語も理解できるのでは?と思ったのですが…。
「いやー、何を言ってんのか分からんよー。」
「意味不明。」
帰国子女レベルでも分からない英語って‥‥。
【このメモ書きの不明な点。】
私はAgodaで予約していったのに、なぜBooking.comでの予約と言うことになっているのか。
自分でキャンセル手続きして、とも読み取れるのだが、どういうこと? |
- に関しては、友人がわざわざ調べてくれました。
海外ホテル予約サイトのAgodaとBooking.comは空室管理などで、裏で連携しているんです。
つまり私は日本からAgodaで予約して行ってもホテル側ではBooking.comで予約になっているという状態ですね。これは勉強になりました。
詳しくは、こちらをご覧ください。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11101954096
(YAHOO知恵袋に書いてあった解説)
- に関しては、全く意味不明。
Modern Cave Boutique Stay側のミスでオーバーブッキングが発生したのに、なぜ私がキャンセル手続きをしなければならないのか。
私が手続きをする意味が理解できません!
❸Modern Cave Boutique Stayに問い合わせに行く。

案内された部屋は小綺麗でよかったのですが、そんな問題じゃないですよね。ちゃんと話し合わなきゃ、と部屋を出た時、Modern Cave Boutique Stayの支配人はいなくなっていました。

私は新しい部屋の設備のチェックをしているときに、戻ったそうです。
メモ以外にも謎はいっぱい残っています。
案内された1511HOTELの部屋は、本当にModern Cave Boutique Stayで予約して行った部屋と同等価格で、この日販売されていたのか。
Modern Cave Boutique Stayよりずいぶんと古い建物です。納得がいきません。
本当に62リンギット?部屋の中は清潔でしたが…。
とりあえず荷物を置いて、Modern Cave Boutique Stayに戻り、支配人を捕まえ、納得いかないから、全額返金を求めました。
しかし。
「Booking comはキャンセル料無料だから、あなたがキャンセル手続きしても何にも問題ないよ!」
「あなたの言っている意味が理解できない」
支配人は終始、この繰り返しでした。
私たち旅人は時間をお金で買っているようなところがあります。
この宿は一泊62リンギット(約1,674円)。
5つ星の高級な宿でオーバーブッキングが起こったなら、もうちょっと粘りますが、ここで押し問答していても時間の無駄かと思った私は、
★あなた方のこの対応はおかしいし、許すつもりはない。
★私はライターをしているから、この件はしっかりと記事にするからね。
★予約サイトと話し合う。
と言い残し、Modern Cave Boutique Stayを後にしました。
❹BookingcomとAgodaとの間で交渉が始まる。
さて、マラッカの旅を終え、クアラルンプールに滞在していた日。
1通のメールが届きました。Agodaからでした。
平素はagodaをご利用頂きまして誠に有難うございます。
ご予約番号 222534056 に関しまして
ホテル名: Modern Cave Boutique Stay
部屋タイプ: Bunk Bed in Female Dormitory Room
都市名/国名:Malacca/Malaysia
チェックイン日: August 19, 2017
チェックアウト日: August 20, 2017
————————————————————
恐れ入ります、本ご予約の空室枠を管理しております弊社姉妹会社Booking.comより
以下のメッセージが届いております。ご滞在ができなかったとのことですが、
恐れ入りますが代替にて滞在されたホテルの領収書またはカード明細
(ホテル名、日付、金額、カード番号の一部、所有者様名、カードブランドロゴ)の画像を弊社までご返信いただけますでしょうか。
お手数をおかけしますが、ご連絡をお待ちしております。
ご不便をおかけしており申し訳ございません。
————————————————————
○○○○様、(←私の名前)
平素より大変お世話になっております。Booking.comをご利用いただき、誠にありがとうございます。 この度は、お客様のご予約(Modern Cave Boutique Stay – 2017-08-19チェックイン・予約番号:1022163745)の通りにご宿泊いただけず、大変申し訳ございませんでした。宿泊施設よりお電話をいただくまで、弊社にて状況を把握しておりませんでした。 宿泊施設の方のお話によりますと’1511 Hotel’ にご案内いただいたと伺いましたが、その後、なるべく不都合が伴わない形で、代替の施設に宿泊できましたでしょうか? 万が一、今回の件で追加出費が発生した場合には、レシートのコピーを弊社にお送りください。可能な限り、サポートをさせていただきたいと考えております。 なお領収書をBooking.comに提出すると、お客様からご提出いただいた情報をBooking.com B.V.がModern Cave Boutique Stayに開示する場合があることに同意したものと見なされます。 弊社では情報保護に最善を尽くしておりますので、領収書を費用の証明以外の用途に利用したり、必要以上の期間保存したりすることはございません。 この度、大変なご迷惑をおかけいたしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。引き続き、Booking.comをよろしくお願いいたします。 以上、何卒よろしくお願い申し上げます。 Chizuru Takeuchi Booking.com Customer Service Team |
驚きました。宿の支配人がオーバーブッキングをしたことをちゃんと報告したというのです。
また予約サイトのAgodaとBooking comが連携してこの問題を解決しようとしてくれている姿勢と、日本人スタッフが対応してくれる、と言う点もうれしいですね。
私は泣き寝入りか、と思っていたので少し不快な気持ちが緩和されました。
私は実際に遭ったことを時系列で詳細に書き、納得していない点を書き、レシート代わりにもらったメモを添付しました。
すると、すぐに返事がきました。
平素はagodaをご利用頂きまして誠に有難うございます。
ご予約番号 222534056 に関しまして
ホテル名: Modern Cave Boutique Stay
部屋タイプ: Bunk Bed in Female Dormitory Room
都市名/国名: Malacca/Malaysia
チェックイン日: August 19, 2017
チェックアウト日: August 20, 2017
キャンセルポリシー・変更ポリシー:
この度はご連絡頂きありがとうございます。 差額の返金に関しまして、ご予約の客室を提供しておりました、弊社姉妹サイトBooking.comに確認を致しましたところ、差額が生じた場合返金を致しますが、62リンギットですと差額はございませんので、なんらかの補償または返金ができるか、社内にて検討するとのことでした。 Booking.comより回答がございましたら、再度ご連絡させて頂きますので 今しばらくお待ちくださいますよう、お願い致します。 その他ご不明な点がございましたら、日本語カスタマーサービス担当までお問い合わせ下さい。 アゴダ カスタマーサービス / Shibui |
差額がない…。
これは同じ値段で販売していた、と言うことでしょうか。
いまいち納得はできないけれど、保障は検討してくれるとのことなので、次のメールを待ちました。
平素はagodaをご利用頂きまして誠に有難うございます。
ご予約番号 222534056 に関しまして
ホテル名: Modern Cave Boutique Stay
部屋タイプ: Bunk Bed in Female Dormitory Room
都市名/国名: Malacca/Malaysia
チェックイン日:August 19, 2017
チェックアウト日: August 20, 2017
度々のメールにて失礼致します。
この度は、上記ご予約につきましてご不便をおかけし、まずは改めましてお詫びを申し上げます。
以前ご案内させていただいたご返金の件につきまして、弊社の姉妹店Booking.comより下記ご連絡が参りましたので、誠にお手数ではございますが、ご確認、またクレジットカード情報のご入力をお願い致します。
******************
○○○○様
お客様のご予約(予約番号:1022163745)に関する弊社からの連絡にご回答いただき誠にありがとうございました。 6.20 MYRを、お客様のクレジットカードに返金させていただきます。 まず次のリンクをクリックして開いた画面の フォームにクレジットカード情報をご入力ください。 https://secure.booking.com/refund/e7cef43a9a0c935df04e6d1456bb758ef9f41f97.ja.html 安全のため、このリンクは14日間のみ有効です。 フォーム送信後5~7営業日以内に、お客様のクレジットカードに返金されます。クレジットカード会社や銀行によっては、返金までの期間が異なる場合があります。 ご質問等がありましたら、Eメールまたはお電話で弊社までお気軽にご連絡ください。 この度は、お客様へご不便・ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。これからもサービスの向上に努めてまいりますので、次のご旅行の際もBooking.comをご利用いただれば幸いです。 ありがとうございました。 Booking.com カスタマーサービス |
6.2リンギットって167円やん…。
鼻くそやーん。
向こうは差額がないとの一点張りだし、こちらも今更、1511HOTELが8月19日にいくらでその部屋を売っていたのか確認する術もないので、10%の返金を飲むことにしました。
金額的にはあほみたいなもんですが、解決しようとしてくれた予約サイトの姿勢はありがたかったです。
まとめ
証拠はちゃんと持ち帰る。
私は予約サイトから連絡がなければ日本に帰ったらすぐに予約サイトに文句を言うつもりでいたので、証拠は全て持ち帰りました。 怒っても、証拠は捨てちゃだめですよ!持って帰ってきて下さい。 そして宿泊した施設の写真も私のようにちゃんと撮影してきて下さいね。 ちゃんと相手に対して怒る。 これ、日本人下手。 でもちゃんと怒らなきゃダメ。 こういうことしたら日本人だって怒るんだよ、という姿勢を見せるのが、次の日本人旅行者の快適な旅につながります。 しっかりと自分の感情を伝えましょう! 自分は次、こういう手段に出るからね、と相手に伝える。 泣き寝入りしないからね!と伝えることは大事。 だって日本人はおとなしいと思われているから。 簡単に相手の思うままにならないこと、簡単に納得しないことが大切です。 予約サイトとちゃんと話し合う。 海外の大手の予約サイトには必ず日本人スタッフが駐在しています。 予約サイトを通じてホテルを予約するときは、大手の予約サイトを通した方が、トラブルがあったときに、誠実に対応してもらえます。 以上が私のオーバーブッキング解決方法です。 このような被害に遭った場合は、泣き寝入りせず、毅然と立ち向かいましょう。 ※なお、今回のケースの場合は、ゲストハウスであり、英語が堪能でない相手の場合のやり取りをご紹介しました。 しかし相手がちゃんとしたホテルで、それなりに英語が伝わる国、人であれば、逆に下手に出て、落ち着いてトランスファーのホテル交渉などを行った方がスムーズにいく場合もあります。 ケースバイケースですので、まずは相手の様子を観察することから始めましょう。 |