ツアーで行参加したブロモ山&イジェン火山ツアー。2泊3日のツアーで、欧米観光客を中心に人気が高まってきています。
このツアーはオプショナルツアーサイトのベルトラでも扱っていません。テレビ番組の特集でイジェン火山のブルーファイヤーの美しさに魅せられた私は、どうしても行きたくて、ジョグジャカルタで宿泊していた宿で予約しました。現地予約でないと現在は行くことができないのです。
このツアー、今まで旅をした中で最低最悪のツアーでした。無事に終了したのが奇跡と感じています。どうか皆さんには、この旅行会社に注意するだけでなく、インドネシアで宿泊ツアーに参加する際に、以下のような点に気を付けなければならないのだな、と思いながら、このページを見て頂けたらと思います。日記風に時系列でご紹介していきます。
2018年8月3日(金)
8時前、ジョグジャカルタの旅行会社の方が宿に迎えに来てくれて、駅まで連れて行ってくれた。駅はルンプヤンガン。長距離列車の発着地らしい。車内で迎えに来た女性に料金を支払い、レシートをもらう。2泊3日で料金は1630000ルピア。実に高い。


この時、後々のトラブルの始まりとなる、レシートと出会う。レシートをよく見ていなかった私も悪い。これは痛く反省。
まず学び1.レシートはよく見よう。

私が乗車したのは8時57分発のRUGAWA。電車は時刻通り来る。この点は優秀である。17時35分、ブロモリンゴの駅に到着。駅は寂しい。構内はインフォメーションセンターくらいしかない。
ツアーで順調に行っていたのはここまで。ここから話がおかしくなってきた。

薄暗い駅前の駐車場で私を手招きする男性がいた。
「この人、あなた?」
と言って声をかけてきたドライバー。この人の携帯には私の写真が写っている。つまり
ジョグジャカルタで私を送り出してくれた旅行会社の人は、ブロモリンゴに構えている現地の旅行会社さんに丸投げしていたのだ。

要は現地の旅行会社さんに、こういう奴が何時の電車で行くから、受け取ってね!と私の写真を送ってメールで伝えてあるだけなのだ。ジョグジャカルタの駅でお別れの際に私は写真を撮られたが、管轄会社が違うからだったのかとこの時、気づく。
この駅構内を出てからが大変だった。
ワゴン車に乗せられて宿に連れて行かれるのかと思っていたら、現地の旅行会社だった。
ワゴン車には既に、1組の男女が乗っていた。
それがこのカップル。今回の1番の被害者だと思う。私以上に騙されたから。このフランス人カップルは新婚旅行でインドネシアを訪れており、トラブルイングリッシュが苦手な私を随所で助けてくれた良い人だった。

右側に写っている黒ジャンパーの男。このBOSSが一番悪人。まずレシートを見せてと言ってきて、私がレシートを見せたら、
「バリ島へ渡るフェリー代金が含まれていない。」
と言ってきたんのだ。この2泊3日のツアーは、ジョグジャカルタ発で3日目バリ島OUTのツアーなのだが、バリ島へはバスごとフェリーで渡るという形のものなのだ。
確かにこの悪人BOSSの指摘するように、レシートにはフェリー代の文字がない。私は見落としていたのだ。
BOSSに50000ルピアを請求され、泣く泣く支払い。
ただ、このトラブルは序の口にすぎず、ここから加速度を増していったのだ。
20時30分過ぎ、旅行会社を出発。ミニバスに私を含めて8人くらいが乗せられた。1時間ほど山道を走り、ロッジ風の建物が見えてきたなと思ったら、申し込んだチラシに書かれていた宿とは違うところで、みんな降ろされて行った。それも一組ずつバラバラに。
明日の朝はプナンジャカン山頂でサンライズ鑑賞と言うことで麓の宿には変わりないのだが、契約とは明らかに違う宿なのだ。
私はどこの宿なの?とその都度聞くも、ドライバーは「お前はまだ」の一点張り。
誘拐されたのか―と思ったくらい、本当に怖かった。
結局、私は最後まで取り残されて、どうなるのかな?と思っていたら、降ろされた場所にバイクが迎えに来て、バイクの後ろに乗せられ、よく分からない宿に連れて行かれた。

麓にはほんといっぱい宿があり、分宿されていく仲間たちを見て、宿のスタッフが客の取り合い合戦をしているような感じにも映った。旅人が降りるたびに宿の人が、群がってきていたから。
バイクに乗せられた時、ほんと酷い旅行会社に掴まったのだ、と思い知った。
ちなみに宿の写真は看板だけ。部屋の写真はない。夜で真っ暗闇であり撮影できなかったというのもあるけど、気力がなくなるような宿だったから。ロスメンだったように思う。ゲストハウス以下。内装は刑務所かと思ったくらい。
ロスメン・・・インドネシアでホテルよりも安く泊まれる宿のこと。
とりあえず私を奪い取った宿のスタッフであろう若い兄ちゃんは唖然としている私を見て、いろいろ世話を焼いてくれた。しかし酷い宿である。水はちょろちょろとしか出ないから、シャワーを浴びることができない。
部屋はカビ臭い。トイレは水道じゃなくて手桶。(桶に組んである水で便器に流すスタイル)
宿の周辺には食堂もなし。この時、前日にスーパーでカップ麺を買っておいてよかったと思った。
世話を焼いてくれる兄ちゃんにお湯が欲しいと頼み、もらってカップヌードルを啜る。
カビ臭い部屋でカップヌードル。何も味がしない。
「明日は3時30分に部屋をノックするからね。朝はジープツアーだからね。」
と兄ちゃんは言い残し、部屋を出ていった。確かに明日は早朝からプナンジャカン山頂でサンライズを見るためにジープに乗らなければならぬ。
しかしこの調子だ。宿までたらい回しにされている状態。
ちゃんと迎えに来るのだろうか。不安で、ほとんど寝ることができなかった。
2018年8月4日(土)
午前3時。チラシと全く違う宿で、浅い眠りだった私。
いろいろ臭い。生きる気力をなくす部屋である。
布団類も洗ってないだろう。風呂にも入れなかったから、体も頭もどんよりしている私。

こちらが今回申し込んだチラシ。私はパッケージAを申し込んだ。
全然、ホテル名違う。絶対、私は騙されている!!
これから、このツアーに行こうと思っている人、このチラシをもらったら、ヤバい!て思わないと駄目ですよ!

今日はまずプナンジャカン山頂のサンライズツアーである。
3時30分にジープドライバーがあなたの部屋をノックして、あなたを迎えに来ると言っていた宿の若いスタッフ。
前日の宿のたらい回し騒動で、全くこのツアーを信用できなくなった私は結局2時30分に目が覚め、3時までに準備を整え、部屋の前で待つことにした。
腹が減っていたから、来る時にジョグジャカルタの旅行会社のスタッフさんからもらっていたクラッカーを食べながら待っていたが、一向に来る気配がない。
食べ終わり3時30分。ノックされない。ちらっと外を覗くと、ジープが渋滞しているではないか。
そう、このジープのエンジン音は非常にうるさい。はっきり言ってこの音で目が覚めたくらいだ。
このプナンジャカン山頂のサンライズとブロモ山のツアー、大変人気があり、至る所の宿からジープが出発しているみたいで、私が泊まることになったこの宿は比較的山頂付近に近いものだから、2時前に街中から出発したジープが、この付近で渋滞に巻き込まれて、イライラしていていたのだ。
部屋の前にいても誰も迎えに来そうもないし、置いて行かれたら困るし、と外で待つことにした。玄関に行くと4名若い男女が立っていた。
自分からにじり寄り、自己紹介をして、皆さんはどういう状況なのか聞く。すると、やはりジープが迎えに来ないから、居ても立っても居られず外で待つことにしたのだと言う。
昨日、シャワー浴びることはできましたか?と女性に聞いたら、お湯が出なかったとのこと。まだちょろちょろ出た私は良い方だったのもしれない。(使用してはいないが…)
4時過ぎ、よく分からない男性が宿に近づいてきた。ジープドライバーだと言う男。迎えに来たと話す。
私以外の4名のグループさんは先ほど出会ったばかり。初めまして状態。同じ旅行会社で申し込んだわけではないから、きっと同じ行程ではないだろう。
でも、このドライバーさん、とりあえず迎えに来たと言う。何名ピックアップとは言わない。
ジープを見せてもらうと、先に1人の男性が乗り込んでいた。
知らない顔。昨日の分宿の際もいなかった顔。
旅行会社ごとのピックアップではなく、宿ごとなのか。さっぱり分からない。ドライバーの英語も片言だし。しかし、ここで乗車しなかったら、プナンジャカン山頂のサンライズツアーには連れて行ってもらえないかもしれない。ジープは幸いなことに1人分の席が余っているではないか。
ドライバーの兄ちゃんは何人連れて行ったらよいか分かっていない。
私も乗っていいか?と聞き、OKをもらったので、私は飛び乗ることにした。
ジープの中で先に自分から自己紹介し、私はあまり英語が得意ではないから、色々助けて欲しいと、他5名の欧米人に頭を下げた。先に乗っていた男性はフランス人。後の4名はイタリア人だった。皆さん快く握手をしてくれた。
4時40分頃ジープがまた止まる。相当数のジープが渋滞しているため、この先が進めないと言う。そしてここから歩いて、山頂まで歩いていくようにと、降ろされてしまった。
何時に戻ってきたらよいのか?と聞いたら6時過ぎには戻ってきて欲しいという答え。
今、どこで降ろされたのか、真っ暗で全く分からないのに、6時過ぎは無理やろ!と4名グループがシャウトする。いつまで続くのか分からないやり取りに時間がもったいないと思った私は、ジープの車番だけ撮影し、一人で来ていたフランス人について歩き出した。
真っ暗で写真すら撮影できない。ジープの数も半端ない。相当数が乗り捨てられているような状態だ。
お土産屋もあるんだな、スリランカのアダムスピークを思い出すな、と思っていたら、フランス人とはぐれてしまった。

どうしよう。全く道も分からない。山頂まであとどれくらいかかるのか。やたらバイクタクシーの勧誘だけがしつこい。仕方ない。山頂まで行かないわけにもいかないから、助けを借りることにした。
バイクタクシードライバーは100000ルピアで、往復でどうだ?と言ってきた。
OKと承諾し、後ろに飛び乗った。
写真はぶれているけど、バイクタクシーってこんな感じ。結局ジープで大混雑しているからバイクタクシーの方が小回りが利いて山頂へ近づけるのだ。
ともかく寒い。そしてヘルメットはない。ドライバーにちょっと待ってもらい、リュックの中からバスタオルを出して、体に巻き付け、その上からリュックを背負い、体を固定した。多少、寒さが和らいだ。
バイクタクシーが走り出す。しかし人を馬鹿にしたみたいに寒い。ドライバーの背中に顔を付け、事故りませんようにと祈り続ける。
乗車すること20分。バイクも止まり出す。ここからはバイクも進めないと言う。兄ちゃんは自分のバイクを乗り捨て、手招きをして、山頂までの遊歩道まで案内してくれた。
道を指さし、ここを真っ直ぐ歩いたら山頂へ着くと教えてくれた。僕はここで待っているから、見ておいでと送り出してくれたドライバー。
ウオン、と言う名前のとても良いお兄さん。深く頭を下げ、山頂へ向かう。

山頂までは5分もかからなかった。バイクで20分かかり、そこから徒歩5分で山頂。ずっと歩いていたら山頂へは辿り着かなかっただろう。
山頂は白い息が舞う。露店では炭を焚いて暖を取っている。
早くに来たお客様で山頂は賑やか。カップラーメンを啜ったり、紅茶を飲んだりして日の出を待つ。5時14分。まだあたりは真っ暗。私もその辺に座りながら、朝日の登場を待つ。



5時25分、ようやく空が輝きだした。
プナンジャカン山頂からの眺め。いい色や~。私がいるのは展望台。周辺は結構な人でごった返してきていた。もっと良いカメラ買わないとな、と思った瞬間。アイホンSEはこれが限界。
視覚ではもっと幻想的な風景が見えているのに、お伝え出来ないのが非常に残念。
手前がパトゥッ山(Mt.Batok2470m)。左で噴火しているのがブロモ山(Mt.Bromo2329m)。そして一番奥がジャワ島最大のスメル山(Mt.Semeru3579m)。巨大なカルデラが拝める。
5時40分ぐらい、撮影に満足し、遊歩道を下山。大体展望台にいた人は同じ時間には一緒に下り出していた。結局ジープの渋滞が不安なんだろう。
ドライバーのウオンさんは、遊歩道近くまで自分のバイクを引っ張ってきてくれていて、私の帰りを待っていてくれた。ウオンさんは有名な方だったのか、遊歩道の入り口付近で、大量のドライバーの中からドライバーを探す際、ウオンと呼んでいたら、みんな指を指してくれた。(笑)
ウオンさんはちゃんと乗せてくれたところまで送ってくれた。100000ルピアを支払って快くさようなら。

ウオンさんと別れた後、この大量のジープの中から自分の乗ってきたジープを探す。ジープの車番の写真を撮っておいてよかった。探すこと5分。ジープドライバーさんがジープの横でタバコを吸っていてすぐに見つけることができた。寒いので車内に入り、待機させてもらう。揉めていた4人組の姿とフランス人の男性の姿はまだなかった。

6時20分、ジープ横にくっきりときれいな山々が見えてきた。壮大なところに来たんだな、と改めて実感が沸いてくる。4人組さんが戻ってきた。皆さんは展望台まで行かず、途中のところから朝日を拝んだと笑う。

ジープの中で会話をしていたら、外が騒々しくなっていた。4人組に通訳してもらったら、ドライバーたちは崖から人が落ちたのだと話していると言う。
誰が??と聞くと、観光客だと言う。
崖の下を覗いたら、到底助けられる場所じゃない。
自力で這い上がってきてもらうしかない。
この渋滞だ。この山に救急車なんか来ることができるのか。
ガードレールもロープも張っていない場所で、ジープドライバーさんたちは協力しながら毎日ジープの方向転換等をしているのだ。きっと何回か事故っているだろうな、と想像した。

6時30分。約束の時間から30分も遅れているのに、フランス人男性が戻ってこない。ドライバーさん、フランス人男性が申し込んだ旅行会社の人だろうか、連絡を取っている。
6時40分、ドライバーさん、フランス人を待たずに出発。他の4人組が置いて行っていいのか!みたいに聞いていたのだが、OKと笑い、ドライバーはエンジンをふかせて走り始めた。


車内が微妙な空気の中、ジープを走らせること20分。ブロモ山麓に到着。ドライバーさんはカルデラ内をSand Seaと呼んだ。文字通り、砂の海が続き、別の惑星にいるようだ。
ジープを降りたら、馬の勧誘がすごかった。まずは歩きたいと思いすべて拒否した。
さっき置いて行かれたフランス人の件もあるから、何時までにここに戻ってきたらよいのか、と何度も聞き、8時20分と言う答えをもらい、この別惑星の中を歩き出した。
立て札も見つけた。陽が出てきたからか、ちょっと暑い。
プナンジャカン山頂はあんなに寒かったのに。山頂対策としてジャージの重ね着をしてきたため、汗がにじんできた。

イタリア人4名様。
なかなかインドネシア人の英語発音が聞き取れない私をよく助けてくれた。この方々はここまでのツアーの参加だった。イジェン火山へは行かないと話す。だから宿に着いたらお別れだった。

ほんと違う惑星にいるみたい。ただ、ここは砂煙が酷くて、鼻の穴が3秒で真っ黒になる。
マスクは必須。このエリアではマスク売りをよく見かけた。

パトゥッ山。晴れていてよかった。天気に恵まれるってすごく大事。
いろいろある旅だが、少し忘れた瞬間だった。
ここからブロモ山のカルデラのある火口まで歩いて行く。階段口まで私の足で35分。ともかく歩きにくい。細かい砂の海であるし、強烈な馬臭も進みを遅らせる要因になった。

登山口にある階段は大渋滞。段差がばらばらで膝に来る。そして結構急である。登山客は途中で休みながら上がっていた。
上ること10分弱、カルデラ登場した。周囲に充満する硫黄の匂いも半端ない。
このカルデラの周りも歩けるので歩いている人もいたが、手すりもないから、私は止めておいた。煙が出ていなかったから、結構きれいに撮影。影は入ったが…。


長居したいが、続々と人も登ってきて邪魔になるので降りることにした。この階段を降りる時、途中まではサクサク降りることができていたのだが、途中でどこの国の人なのか分からないが、後ろが詰まっているのに、撮影に興じているグループがいたため大渋滞が発生。
私もタイムリミットがある。あのフランス人みたいに置いていかれたら大変である。

日本人らしくないが大声でその集団に向かって切れ気味にシャウトし、階段を駆け降りた。階段口についた時は既に8時を回っていた。このまま歩いたらジープ駐車場に間に合わない!
仕方ない。馬に頼るか。
片道幾らだ、と交渉したら100000ルピアだと言う。
高すぎると他を当たると歩きだしたら、だんだん値下げしてきて、70000ルピアで落ち着いた。急いで戻って欲しいと調教師?にお願いし、馬に飛び乗った。

初めての乗馬体験。
まぁ怖かった。砂の上を闊歩するし、すごく揺れる。私が急いで戻って欲しい、とお願いしたから調教師も馬を急かすから、震度も異常で何度も落ちそうになり、すれ違う他の調教師の方にも何度か助けてもらった。
集合時間5分前、到着。
記念に写真撮影。貴重な体験をさせて頂いた。
私がまたもや一番乗り。私から遅れること10分、4人組さんが戻ってきた。カルデラまでは行かなかったと言う。距離も長いしに面倒になったと笑う。
カルデラに行かない、階段を登らない。私が写してきた写真を不思議そうに眺めている4人組。
先ほども山頂まで行かず途中の道から朝日を拝んだと言っていた4人組。
メインを見ずに、体験せずに、何しに来たんだ、と一瞬よぎってしまった。

9時過ぎ、ジープは宿に到着。この後のことを聞いても、ジープドライバーは知らないと繰り返すばかり。
宿にスタッフはいるだろうか。
宿に入ると、お母さんぽい人がキッチンにいた。次の迎えはいつ来るのか?
と聞いても何言ってんの?みたいな表情を浮かべてくる。
―この人には、英語が通じない。
お母さんは英語が分かる人を呼んでくるから待っていろ、とジェスチャーで伝えてきた。数秒で近所のおっちゃんを連れてきたお母さん。
チラシとレシートを出し、次はイジェン火山へ行かねばならない、いつお迎えの車が来るのか?と聞いた。
「俺は分からない。この宿の向かいに観光案内所があるから、そっちで聞いた方がいい。」
と、そこまで連れて行ってくれた。
宿のそばに観光案内所があると言う点ではツイていたと思う。
そこに英語の分かる人がおり、チラシとレシートを見せて先ほどと同じことを聞く。するとそこの兄ちゃんは、レシートに書いてある電話番号に電話をかけてくれ、旅行会社に、彼女を迎えに来るように!と電話をしてくれたのだ。
彼は観光案内所の目の前に車を止めてくれるようお願いしてくれたようで、すぐにスーツケースを取りに行くよう伝えてきた。
センキュー、センキューと何度も繰り返し、すぐさま宿へ引き返した。
さっさとトイレを済まし、荷物をまとめる。その時、このプランは朝食付きであることを思い出した。
チラシにもそう明記してある。
キッチンを覗くとお母さんしかいない。
朝食が欲しい、と伝えてもやはり、通じない。
この点は騙されたのだ。見切りをつけて宿を飛び出した。腹が立つ。
観光案内所の前に行くとまだ車は来ていなかった。
お腹が減ったのだが、どこか店ないか?と聞いたら、ちょっと走ったら向こうにショップがあるよと指をさしてくれた。
急いで戻ってくるから、スーツケースを見ておいて欲しい、とお願いしたら、
「GO!」(おそらく早くいけ!という意味だと思う。)
とシャウトされ送り出してくれた。
ダッシュで店に向かう。この店は商店みたいな感で、目についたパンとお菓子と飲み物を購入した。しめて11000ルピア。
値段がない店だったが、客によって値段を吊り上げると言う下品な行為はしない良心的な店だった。
ダッシュで戻る。車が来ていた。観光案内所のお兄さんが、私のスーツケースを入れてくれた。
しこたまお礼を言い、もう二度と来ることはないであろう、ブロモ山を後にした。
※現在は2019年2月に噴火して以来、観光客の立ち入りを制限しています。


1時間ちょっと走って車が到着したのは悪夢スタートの場所。
また再会したBOSSと子分。
すぐにイジェン火山ツアーに参加できるわけではなかった。
あなたは11時30分発の便でイジェンに向かうから、と告げられてその辺で待っているようにと言い渡された。
ものすごくイライラする。ジープの迎えに関しても曖昧だったし。朝食もなく、宿だってたらい回しだった。
抗議しようか、と思ったが、この風貌。インドネシア版ヤクザと臭いがプンプンする。突っ込んだところで、のらりくらりされて絶対返金もないだろう。その前に抗議イングリッシュの単語が出てこない。ふがいない自分と対峙し、軽く死にたくなってくる。
インドネシアの旅行代理店なんてチンピラばかり、とほざいていたのは旅仲間の先輩。あまり近寄らず、抵抗せず、大人しくしていた方が無事にツアーが終わりそうな気がしてきた。あんまり反発すると、命まで取られそうで、この時、正直怖くなってきていたのは事実である。
でもこいつらのことだ。今夜も酷い宿だろう。出発時間までまだある。ちょっとスーパーに行きたい、と告げて、すぐ近くのスーパーへ行き、とりあえず食料の買い出しをした。買い出し代は41300ルピア。ブロモリンゴではこの辺りは繁華街にあたるのか、コンビニ系はいっぱいあった。
11時30分前、1台の車が到着し、乗り込むように言われた。笑顔なんだけど目が笑っていない奴らだった。
本当にイジェン火山に連れて行ってくれるのか。
私に助手席に座るよう指示し、後ろの座席2列には2組の外国人を座らせた。先に私が自己紹介し、チラシとレシートを見せ「皆さんもイジェンに行くのか?」と確認し、そうだよと返事をもらい、英語が得意ではない旨を伝え、何かあったら助けて欲しいとお願いした。こちらの皆さんも快くハイタッチをしてくれて、多少不安感はぬぐえた気がした。

出発。1時間30分ほどしてランチ休憩。
連れてこられたのは外国人しか受け入れていないレストラン。
値段は外国人向け、プラス税金まで取ってくる。そんなにきれいなレストランでもないので自分の手を拭き終わった後、テーブルを拭いた。お仲間さんも私の行動を見ていたので、ウエットティッシュをおすそ分け。こういう行動って大事だなと後から改めて思った。本当にこの時の仲間には助けて頂いたから。


注文したのはナシチャンプルとオレンジジュース。オレンジジュースと言っても粉末ジュースみたいな感じで安い味だ。
オレンジの味しないと言ったら、皆さん笑っていた。料金はジュース付きで55000ルピア。外国人専用の店の割にはトイレのクオリティは異常に低かった。
レストランでは1時間の休憩。皆さんとちょこちょこ話す。
皆さん、やはり朝食は付いていなかったと言っていた。この中にアメリカ人の女性二人組がいたんだけど、この人たち結構言う方で、BOSSに対しても車に乗り込む直前まで、文句をずっとシャウトしていた。それも早口。あんまりの早口で、きっとあのBOSSも半分は理解していなかったと思うが、切れているのは理解したと思う。でも返金はしなかった。分からないふりで通したようだった。
BOSSに怒っていたのは朝食の件。それがこのレストランで判明した。結局私だけでなく、皆さん騙されていたのだ。


14時15分過ぎ、イジェン火山のふもとの宿に向けて出発。
2時間ほど走って山の中へ入っていく。サスペンスに出てきそうな感じ。でも道路は整備されている。イジェン火山は硫黄採掘の仕事の人が利用しているから、道はしっかり舗装されているのだろう。とても良い林道である。

17時前、展望台に到着。ドライバーが指を指す。あれがイジェンだと。明日、最大のトラブルの舞台となるイジェンが目の前にある。この時は私を含む、仲間たちはだれ一人知らない。知らないって本当に怖いことだ。

17時30分、今日の宿に到着。皆さんと同じ宿で良かった。分宿とかもうコリゴリである。昨日の宿よりは開放感はあるが宿のクオリティは一緒だ。お湯は年寄りの小便のようにちょろちょろとしか出ない。そして掃除したのか分からない取調室のような部屋。

明日は朝の12時30分起きの1時出発。スーパーで買い出しておいた、よく分からないクオリティの低いパンを水で流し込み、お菓子を食べて、ちょろちょろのお湯で少し汗を落とし、ベッドに横になった。
怖いから電気は付けたまま。アイマスクと耳栓を装着し、目覚ましをセットして目を閉じた。
2018年8月5日(日)

現在午前1時。
イジェン火山のツアーに同行するドライバーさんはまだ真面目な人だったようで、ちゃんとAM12時30分に私の部屋をノックして30分後発だよ、とおこしに来てくれた。
身支度を整えて荷物をまとめてロビーへ。そこで朝食をもらった。
そして荷物と朝食を抱え、駐車場に行く。
駐車場には、4台の車が止まっていた。
〇ジョグジャカルタに戻る人の車。
〇バリ島に渡る人の車。
等と行き先が分かれていた。
私はバリ島に渡らないといけなかったので、一番大きなミニバスに乗ることになった。1人参加なので助手席に座ることになる。
後ろの座席を見ると、初日に出会ったフランス人カップルが座っていた。再会を静かに喜ぶ。この新婚旅行のカップルも宿をたらい回しにされ、昨日は朝食も抜きだったのだろう。新婚旅行なのになんで哀れな。どうでしたか?といろいろ聞きたかったけど、朝からそんな話題を出すのもテンションが下がるだろうな、思い止めた。
1時15分、宿を出発。

2時前、イジェン火山の登山口に到着。
ここで山岳ガイドさんと会う。ガイドさんはバリ島へ渡るグループ、私を含む13名の面倒を見ると言う。
2時、登山開始。
夜中にもかかわらず皆さん元気。真っ暗な山道をすたすたと歩いていく。結構急な山道。みるみるうちに私は取り残されていく。
この山岳ガイドさん親切で、いろいろ励ましてくれて、急勾配は手まで引っ張ってくれていた。
3時過ぎくらいだっただろうか。
休憩所に到着。ここに座って一旦休憩しましょう、となった。
バリ島へ向かう仲間も先に到着して、休んでいた。
その仲間から声が上がった。
「ガスマスクは?」
そう、このイジェン火山。硫化水素が噴き出るからガスマスクが必要なんだ。
山岳ガイドさんはドライバーに連絡し、今こっちに持ってくるように言うと話す。
しかし待てど、来る気配なし。山岳ガイド、ドライバーに連絡する。
でも電話に出ないと言う。
するとこのガイド、知り合いのガスマスク屋を登場させ、
「レンタルしませんか?」
と言ってきた。いやいや、私たち、ガスマスク代支払っているし、改めて払う必要もない、とガイド相手に皆さん抗議をし始める。
私もレシートを見せてガスマスク代を支払っている旨を伝える。
でもガイドは、ドライバーが来ないから、マスクはないよ、と言い切る。
250000ルピアでガスマスクを貸すよ、とレンタル屋は言う。
ブルーファイヤーは夜中じゃないと見れることはできない。ここでもたもたしている場合じゃない。
でもこのレンタル屋の登場はおかしい。
初めからこういうストーリーだったのではないか?
結局この提示された金額を支払ったのは、あのフランス人新婚さんカップルだけだった。
他の外国人10名は無視して、上に上がって行った。ガスマスクも持たずに。
私はお金はあったけど、ノーマネーと言って最後まで拒否した。
するとおもちゃみたいなガスマスクを渡してきた。これだったらフリーで貸すよ、と。
この時点で私はブルーファイヤーを見るのを諦めた。
で、そこから先に上がって行った皆さんを追って山道を上がって行った。
確かに急なのだが腹に十分な予熱がある。イライラしている。こんな騙され方、あるのか、と。
だから足取りはそんなに重くなかった。イライラしているとスタスタ歩けるのかもしれない。
ふと立ち止まって周囲を見る。山岳ガイドは付いてきていなかった。

休憩所から1時間程度でイジェン火山、河口に到着した。非常に寒い。リュックからバスタオルを出し体に巻き付ける。
4時30分。お伝え出来ないが星空は本当にきれいだった。やっぱりカメラはしっかりしたものを買おう。この時改めて思った。
私が一人で星空を眺めていたら、インドネシア人の青年がナンパしてきた。
暗闇だ、きれいな女性に見えたのだろう。少し会話をし、足場の悪い岩山は一緒に歩いたものの、ブルーファイヤーには行ったことがないと言う。
結局、暗闇ではぐれてしまい、私は一人ブルーファイヤー付近に向かうことになった。
でも近づけない。結局、このガスマスクおもちゃや。
万が一ブルーファイヤーに近づいて硫化水素でも大量に吸ってしまったら大変なことになる。まずガイドも姿を晦ましていない。

私は結局ここへ何をしに来たのだ。このブルーファイヤーが見たかったのに。
上の展望台からブルーファイヤーを見つめる。ちょこっとだけ見える。
展望台には下まで行かず、上からブルーファイヤーを眺めている人がいる。同じ仲間ではないが、この方もガスマスクを持っていなかった。
現場でガスマスクを渡さないトラブルって結構あるのだろうか?と思った瞬間だった。やはりちゃんとした旅行会社で申し込まないといけない。今回はいろいろ運がなかった。

夜が明けてきた。ブルーファイヤーはもう見えない。すごく硫黄臭い。
なんか草津の温泉地にいるようだ。とりあえず山頂の看板を写真撮影。山頂は2386mなのか。


硫黄発見。硫黄採掘をしている人は、こんな塊を担いでいつもこの山を往復しているのか。いい金になるのだろうか。山道には硫黄の粉も落ちている。

幻想的な風景。
霧雨状態でずっと雨は降っていた。だから本当に寒かった。
下山しよう。
ぬかるんでいて道も歩きにくい。
ブルーファイヤーはもう夜が明けて見えないのに、山頂に向けて上がってくる人たちと多くすれ違った。

人力車みたいなタクシーに座って山を登ってくる人もいた。あれは2人の人力が必要だったから、相当金はかかっていたと思う。使用していたのは中国人観光客ばかりだった。

ガスマスク騒動の休憩所に戻ってきた。ここでガスマスクレンタル屋の兄ちゃんとばったり会う。ガスマスクを返せ!と言ってきた。こんなおもちゃみたいなガスマスク。ガイドはどこ?と聞いても言葉が分からないふりをする。この人は、相手をイラつかせる天才だ。ガスマスクを投げつけて返した。


休憩所ではチーム仲間と再会できた。
昨日から移動が一緒だったメンバーだ。彼らはバリ島へ行った後、少し遊んでから次はスマトラ島へ行って、熱帯雨林を楽しんでくると言う。何とパワフルな、と思った。

このメンバーは私より先に、あのレンタルガスマスク屋に切れていたようである。
だから私がガスマスクを投げつけて返した時も、ガスマスク屋が反撃に出てこなかったのは、この人たちに少し攻撃され、多少なりともダメージを受けた後だったからだろう。
この後、一緒に仲良く下山した。

これは、まともな旅行会社で予約した人が手に入れたガスマスクである。
記念に撮影させてもらった。これを持っていたら、ブルーファイヤー見ることができたのだ。
きれいでしたか?ときいたら、風のせいであまり見えなかったよ、とのこと。
ちょっと心が救われた瞬間だった。

7時、地上に戻ってきた。
私はトイレに走った。トイレ使用料2000ルピア。酷いトイレだった。仲間は先にドライバーに文句を言いに走った。

トイレから戻ってきたら、ドライバーが囲まれていろんな人に文句を言われていた。

でもドライバーは俺は知らない。ガスマスクはガイドが悪い、の一点張り。BOSSに電話して、返金させろ!と迫られているドライバー。全員が車に戻るまでドライバーはずっと会社に電話をしていた。

このドライバー。あの旅行会社の中では、まだまともな人だったと思う。ちゃんと連れて来てくれたし、最低限のことはしてくれたから。
ただガスマスクに関しては、この方の反応を見ているとほんと青天の霹靂だったのではないかと思った。私はこの人を責めても仕方ないのかな、と思い黙って座っていた。ともかく支払った金は戻ってこないんだろうなと言うのは、予感としてあったから。
他の仲間に払い戻しの件について、ドライバーとどんな話をしたの?と聞いたら、埒が明かないから旅行会社に電話する、とのことだった。
7時30分、ガスマスクを借りてしまったフランス人カップルが戻ってきたので出発し、バニュワンギに向かった。ここからバリ島行きのフェリーが出る。
1時間ほど走って到着。
私たちの乗ってきたミニバスをバリ島行きのバスを担当する旅行会社の人間が取り囲む。次はここで旅行会社交代。私たちは引き渡されるのだ。

スーツケースを降ろしてもらい、バリ島行きのバス担当者の兄さんにレシートを見せて、追加で支払ったバスのチケット代の領収書を見せて大型バスに乗り込んだ。
これでバリに渡れる。やっとツアーとお別れできる。
しかし、なかなかこのバリ行きのバスが発車しない。

原因はあのフランス人カップルだ。
あの人たちはガスマスクをレンタル屋からレンタルしてしまった。
このレンタル代を返せ!とドライバーに文句を言っていたんだな。
あの人たち、確かにガスマスクをレンタルする際、あとでドライバーから返金してもらうよ!と言って金を出したからね。
でもこの光景を見て私は絶対借りないでおこうと思ったんだ。
だってレンタル屋、レシートを出さなかった。
それにドライバーから返金するなんて、一言も言ってない。
まず、ドライバーとは連絡付かない状態だったじゃないか。
結局彼らは、全額返金はしてもらえなかった。

しかしあの方が最後まで抗議をしてくれたから、出発間際、ドライバーがバスに乗り込んできて、ガスマスク代だと言って50000ルピアを返金してきたのだ。
全く返金がないと諦めていたから少し救われた気がした。
フランス人カップルのおかげだ。ありがとう。
ちなみに私はバリ島に渡った夜、震度6の地震に遭いました。トラブルのとどめは地震だったのです。(;´д`)トホホ
~インドネシアのオプショナルツアーに参加する際の注意事項~
- レシートをよく確認しましょう。
- トラブルを想定して、仲間を必ず作りましょう。
- トラブルイングリッシュは学んでいったほうが良いでしょう。
- 証拠写真は撮るようにしましょう。