2017年は連休が少ない、など言われていますが、それでも何とかやりくりしてぜひ、現場に行って歴史遺産の凄みと自然遺産の雄大さに包まれてきて欲しいなと思います。
今回ご紹介するエジプトといえばピラミッドやスフィンクスですよね。誰もが一生に一度は訪れてみたいのではないでしょうか。しかし、エジプトといえば治安問題が心配ですよね。
基本的にテロ関連に巻き込まれることを避けるためにも、政府関係の施設や車両、デモの集会等には近づかないようにしましょう。
とはいえ、エジプトは事前に治安情報を把握して、個人渡航ではなく、多少割高でも、大手旅行会社が主催しているツアーを利用することで、危険を回避しつつ旅行を楽しむことができます。
1.エジプトってどんな国?
私のエジプト旅行体験をご紹介する前に簡単にエジプトに関して調べて見ました。ちなみに旅行のベストシーズンは10月~4月とされています。
エジプトの基礎知識
エジプトは人口9000万人程度の国で、日本の3分の2くらいの人がいるんですね。宗教はイスラム教徒が多いです。喋る言語はアラビア語がほとんど。
エジプトの面積に関してなんですけど、約100万平方キロメートルということで、思ったより小さかったです。このエジプトですが、地中海や紅海といった海に面した国です。
そしてエジプトといえば広大な砂漠のイメージですね。このイメージ通り国土のほとんどが砂漠となっております。また有名なナイル川が流れていることで知られていますね。
このナイル川あっての生活なので、多くの方々はこの川周辺に住んでいます。
エジプトの気候
エジプト自体は地中海沿岸に面しているため、地中海性気候です。だから雨があまり降らず、1日を通して気温の差が激しいのが特徴。 しかし、首都カイロの周辺は半乾燥気候と半砂漠気候になります。特に暑い6月~8月の時期は40℃弱まで気温が上がるので、水分補給と十分な休息が大切です。湿度は低い国なので日本のようにじめじめしておらず、からっとした暑さになりますが、暑さに弱い方はこの時期に渡航してはいけません。観光どころではなくなります。
私が行ったのはベストシーズンの12月ですが、砂漠気候は、朝晩の気温の差が大変大きく、朝の観光では薄手のセーターを引っ張り出したくらいです。この時期に旅行へ行かれる方は、薄手のコート等を持参したほうがいいですよ。
エジプトの料理
エジプト料理ってどんな特徴があって日本人のお口に合うかってことも気になりますよね。
まず特徴としてあげられるのは辛い点です。とはいってもそんなに辛すぎる感じではないです。
基本的に豆や野菜がメインのヘルシーなものが多いです。一般的に前菜でサラダとスープ、主菜で肉料理や魚料理、パン、ライスときて最後はデザートとお茶といった感じです。
それからイスラム教徒の多い国になりますので、もちろん豚肉は禁止されています。なので肉は牛肉や鶏肉、羊肉等を食べます。
ただ、豚肉が絶対に食べれないわけではないみたいです。エジプトにはイスラム教だけではなくてキリスト教もいますので。
他に変わった食材としては鳩の料理でしょうか。あとはウサギやラクダも食べるそうです。
エジプトのマナー
服装に関して
イスラム教の方々から見たら、肌の露出が激しい洋服はあまり良い印象になりません。基本的には露出は抑えた服装で出歩くように配慮しましょう。
写真撮影に関して
最近は日本でもそうなのですが、写真を嫌がる人も多いです。写真を撮影する際はむやみやたらと撮影するのはやめましょう。
チップに関して
チップは必要です。ホテルではポーターの方などに2~3E£程度はお支払いしましょう。またレストラン等では料金の10%程度を払うのが一般的です。
2.エジプトの治安ってどうなの?
一番最新のエジプトに関しては、外務省が運営している海外情報ホームページを見ていただけたら一目瞭然ですが、治安が良いのは観光名所がある場所だけなんですね。
ルクソールから首都カイロまでの移動の間が一番危険なんです。
私はJTB主催のツアーで行ったので、このルクソールからアスワンまでと、そのあとのアスワンからアブ・シンベルへのバス移動は、コンボイ方式(護送船団方式)で運行してもらいました。
決まった時間に、観光名所横の1カ所にバスや乗用車が集まり、集団の前後を警察が押さえて運行される形です。もう集合する地点から、銃を構えた警官が取り囲み、ものものしい警戒状態なんですね。
道の途中ではいちいち柵を置いて、一般車の検問を頻繁に行なっています。そんな場所にある見張りの塔では、銃を持った警官が交代で見下ろしています。
エジプトの国家収入は、大きい順から、石油輸出、観光、出稼ぎ、スエズ運河使用料です。枯渇期限が迫っている石油をなくしたら、観光業にのしかかる比重はさらに厳しいものになります。
観光客が減ったら大変です。だから安全には大変に気をつかっているんですね。
個人手配旅行だと、このような安全に対する配慮は薄くなってしまいますから、保険代だと思って、団体ツアーで旅行を楽しんで下さい。
また、エジプトに関して、私も旅をして感じたこと、経験談をまとめた記事をしたためておりますので、渡航前には必ずチェックして下さい。護送バスの車内の様子の写真もありますよ。
ラビットリップ:エジプトに行くなら注意してほしい、4つのポイント!
この記事でも簡単にトラブルにあった時の注意点を書かせていただきますね。
エジプトで盗難にあってしまったら
エジプトで多いのがスリやひったくりです。有名な観光地ではそういった面ではかなり注意が必要になります。もちろん悪意のある方々ばかりではないですが、急にフレンドリーに話しかけてきたり近づいてきたりする人には注意が必要になります。
そして被害を最小限に抑えるために、あまりお金や高額な品を持ち歩かないように注意しましょう。
特にパスポートは重要なものです。必ずウエストポーチ等絶対に取られないような場所にしまって肌身離さず持っていましょう。
またもしなんらかのトラブルにまきこまれてしまった場合は122が警察の番号になりますので電話してくださいと書かれている記事もありましたが、基本的にエジプトの警察は信用できません。偽警察官に騙された事件も多発していますし、腐敗していることでも有名です。ですから、ブログに122の番号を掲載するのも、どうかな?と考えてしまいます。
もちろんツアーで行った時は現地のガイドさんが、全て対応してくれます。
例えばHISならカイロに支店があるんですね。なので、パスポートなどが盗まれた際は、その支店のスタッフさんと一緒に手続きをするような形になります。旅行に慣れていない人が警察に行って紛失証明書をもらうって、語学的なことも含めて結構大変ですし、その人が本当の警察官か、わからない。特にエジプトのように治安が悪いエリアは旅人が見ても分かりません。
そのような観点から見ても、このように治安が不安定なエリアは団体ツアーで行かれた方が無難です。
個人で行かれる方は、盗難に遭った際、警察に行かれる前に、先に在エジプト日本国大使館へ行かれた方が、無駄がありません。
海外旅行保険には入っておこう
実際万全の注意をしておこうが、海外旅行ではどんなトラブルが発生するかはわかりません。そういったときに海外旅行保険は非常に安心です。
特に危険そうな場所に行かれる際は必ず入っておきましょう。
また女性でエジプトに一人旅は可能なのかという部分が気になるかとは思いますが、もちろん人通りの少ない時間帯や場所を出歩くと危険です。暴行や性犯罪に巻き込まれる可能性だってあります。そうなる前にしっかり人通りの多い場所を意識したり、やたら馴れ馴れしい人は注意するようにしましょう。
3.エジプトといえばピラミッド
さて、危険なエリアもありながらも、神秘と謎に包まれた魅惑的な世界文化遺産も多い国・エジプト。
そのエジプト観光において、絶対外せない定番スポットは1979年に世界遺産登録された、「メンフィスとその墓地遺跡・ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」です。
私がこの首都カイロにある歴史地区を訪れたのは列車でした。というのも、ルクソールかから北上する形でエジプト旅行を行なっていたからなんですね。
アスワンからカイロへ
ルクソール、アスワン、アブシンベルなど、下方にある世界遺産の見学を終えて、アスワンハイダムがあるアスワンから寝台列車に乗り、カイロへ向かいました。
日本人や西洋人は1等車ですね。夕飯と朝食が付きます。エジプト記事のページに車内や食事の写真がありますので、興味があったらチェックしてみて下さいね。
寝台列車ですが、1等車なら2人個室で快適です180cm×50cmくらいでリクライニング機能はなし。大柄な西洋人は寝れません。
料金 | 1人110ドル、2人利用で1人80ドルになります。(アスワン~カイロの航空運賃と変わりませんが、ホテル代分、安くつくと捉えることもできます。) |
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所要時間 | 約12~14時間(エジプトの列車はいい加減です。) |
その他 | 夕食と朝食付き(夕食にはチキンステーキが出てきました。朝食は甘いパンが5つ+紅茶orコーヒー。) |
2人用の個室には、夜になると車掌さんが、2段ベッドにベッドメイキングしにきてくれます。
タオルの置かれた小さな洗面所もついていて、とても便利です。トイレだけ車両と車両の間にありました。良かった点は2部屋の間にドアがあり、コネクティング・ルームとしても使えた点でした。
家族で行ったので、一緒に顔を合わせて食事をとることができました。
列車の外観は砂ぼこりにまみれた汚らしい状態で、寝ている間は大きな揺れもありエンジン音も大きく、やかましいのですが、父親と母親は「昔の日本の列車のようだ。」と逆に感激していました。
午前7時過ぎ、カイロ到着。(予定より少し遅れた感じです。エジプトの列車時間は頻繫に遅れますよ!注意!)お世辞にもきれいな駅とは言えませんが、大きな駅ではありました。そこから観光バスに乗り、ピラミッド群へ向かいます。
3大ピラミッド
所要時間は30分ぐらいです。ここから1日がかりで見学のスタートです。
JTBのツアーで行ったので、まずはガイドさんがチケット売り場で購入します。
お目当ては、1日300人限定のクフ王のピラミッド内部入場券。発売開始は8時からです。私たちが行ったのは12月のベストシーズン真っ只中だったので、様々な国から来た観光客でチケット売り場は混雑していました。
ギザのピラミッド群は、大まかには3大ピラミッド(クフ王のピラミッド、カフラー王のピラミッド、メンカウラー王のピラミッド)がメインなんですが、近づきすぎると写真に石のブロックしか映らないので離れた場所から鑑賞した方がいいですね。(笑)
ひとしきりピラミッドの外観を撮影したら、クフ王のピラミッドの内部見学に行きます。洞穴のような入り口から、次々に観光客が吸い込まれるように入場していくのですが、その時の写真は、ありません。内部撮影禁止だからです。
とにかく凄い数の人で、暗い通路に人が匍匐前進をするように、ゆっくり歩いていきます。内部撮影禁止!というより、できません。レンズを構えたとしても欧米人の大きな尻しか写りません。
狭い通路をたくさんの人種の様々な人々が押し合いへしあいで、進みます。
正直、何にも鑑賞できません。10分ぐらいかかり、ようやく辿り着いたメインの王の間のエリア。ここに世界ふしぎ発見!などで何度か目にしてきた有名な石棺があるのですが、疲れのせいなのか感動も薄く、ただの石に囲まれた広い空間じゃん…と感じてしまいました。
この石棺のフタは発見されておらず、中はからっぽだったそうです。イギリスの保護国時代に、探検家が持って行ったのでしょうか。その前からなかったのでしょうか。謎は深まるばかりです。
内部見学の後は、3大ピラミッドがきれいに重なりあって見える「特別パノラマビューポイント」へ向かいました。
ピラミッドはやはり離れて鑑賞したほうが、その端正な三角錐に感動しますね。
ここで私はいっちょ、歌唱。
ここでは1986年、岩崎宏美という歌手がピラミッドの前でコンサートを開いています。
岩崎宏美ファンとしては模倣しなければならないと思い、一節熱唱。しかしながら頻繁に砂が口の中に入り、1コーラスも歌えません。
岩崎宏美もこの砂ぼこりと闘いながらコンサートをしたのでしょうか。プロ意識に頭が下がります。
ちなみに、一連のピラミッドエリアでは、左の写真のように明らかに本来の観光目的とは異なる現地の人々が紛れこんでいます。
彼らの目的は窃盗や観光客を騙して法外なチップを請求すること。このようにカメラなどは、メーカーのロゴなどの箇所を、このようにあらかじめテープで隠すなどの防犯対策を取ることをお勧めします。
スフィンクスエリア
美しい3大ピラミッドを思う存分鑑賞した後は、スフィンクスの足元エリアと向かいます。
各ピラミッド間の距離はかなりあります。私は観光バスで向かいましたが、ツアーで行っていない人はタクシーか徒歩移動しかないんですね。どうしようか、と悩んでいると容赦なくラクダ引きが近づいてきます。
押しに負けてラクダに乗っている観光客もおりましたが、あとで感想を聞くと、短い距離で法外な料金を取られたとのこと。個人で行かれる方は気を付けて下さいね。
このスフィンクスも風化が激しいので、少し離れたところから鑑賞するのがおすすめ。正面からは、ピラミッド+スフィンクスといういかにもエジプトらしい写真を撮影することができます。
そして、スフィンクスの目の前にはピザハット。個人で来られていた方の中には、ここでお昼を取っておられる人もいました。スフィンクスビューの席があり、話のネタにはなりそうですね。
スフィンクスエリアには、河岸神殿があります。(スフィンクスと神殿はつながっています。)
元々は、このあたりまでナイル川が来ていたようで、石を運んできた船の船着場もあったそうですよ。
河岸神殿内部には、花崗岩が大変きれいに残っていました。何千年も前に建築されたとは思えないですね。
神殿の中央部には井戸があり、様々な国のお金が投げ入れられていました。もちろん日本円もありましたよ!
右の写真の女性は身長160㎝。なので、150㎝ちょっとある石ということになりますね。
適度に水をまき摩擦を軽減してから多くの奴隷を使って石をソリで運んでいたそうですが、ほんと大変な重労働だったでしょうね。王様の力って、巨大なものだったんですね。
午前中の観光はここまで。少し街に出て、微妙なランチをほうばってから午後の観光をスタートです。
エジプトのレストランは昼間、電気がついていないお店もちらほらあります。この時ランチに連れて行かれたお店もそうでした。ポテトだけ無難においしかったですよ。
ダハシュール
食後訪れたのは、クフ王のお父さん・スネフェルが建築した、赤いピラミッドと呼ばれるものがあるダハシュールの街です。
ギザから車で南に約1時間のところにあります。赤のピラミッドは、砂漠のど真ん中に立つ、二等辺三角形をした高さ105mの真正ピラミッドで、スネフル王の北のピラミッドと言われています。
ガイドさんの解説によると、ピラミッド表面の化粧石がはがれ、顔をだした石が赤かったので赤いピラミッドと呼ばれるようになったとのこと。
そして、これが世界初の階段状でないピラミッドだそうです。ただ、ここはほんと周りに何もないので、砂ぼこりがすごいです。スカーフはなくても、マスクは持って行った方がいいかもしれません。
他にも屈折ピラミッドや保存状態は良くありませんが、黒のピラミッドもこの地にはあります。
メンフィス
次に訪れたのは、メンフィス。メンフィスは、第1王朝が始まったときの首都です。
ここではまずラムセス2世(エジプト史上第2の治世期間を記録し,ラムセス王朝の黄金時代を築いた人物)の巨像が拝める博物館に行きました。
入り口から入ってすぐ右手の建物に入ると、大きなラムセス2世の像が横たわっていました。ガイドさんの話によると、元々はプタハ神殿の前に2体立っていたそうで、その一体がこれだとか。足の部分が残念なことになっていました。もう1体はラムセス中央駅の前にあるそうですよ。
博物館脇に広がる公園式庭には、アラバスター彫刻のスフィンクスがありました。
ギザのスフィンクスを見た後だけに小さく感じますが、それでも高さが4.25mもあるんですよ。近くで見るとかなり大きく感じました。
そして、ラムセス2世の立像もありました。肉付きの良い、がっちりした体型の人だったんだなぁ、と思いますが、やはり博物館内にある巨像の方が、威厳と風格を感じますね。
ジェゼル王のピラミッド
最後に訪れたのは、サッカラにあるジョゼル王の階段ピラミッド(ピラミッド複合体)です。
建築家イムホテプにより設計されたこのピラミッドは6段構造になっており、これが世界最古の巨大石造建築物であると言われています。
ガイドさんの話によると、高さは60m、底辺の長さ東西123m、南北107mくらいあるそうなんですが、元からこんな感じだったわけでなく、第3王朝期に造られて以来、第5王朝期まで何度か拡張され、今日の姿になったそうです。
地下28mの所には地下室が掘ってあり、玄室や回廊がありました。ただ大変古いもので、いつ壊れてもおかしくない状態ですから、今もずっとエジプト政府により修復作業が進められています。
1点残念だったのは、誰の仕業かわからないけど、
このように歴史的建造物に落書きをしてあったことです。こんなことは絶対にしてはいけません!その時代に懸命に生きていた人たちにも、大変失礼な行為です。
世界遺産、「メンフィスとその墓地遺跡・ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」は1日あれば十分に堪能することができます。
でもとても広大な土地に点在していますので、安全に効率よく見学するには、ツアーで回られる方が良いかと思います。
登録名 | メンフィスとその墓地遺跡・ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯 |
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登録年 | 1979年 |
分類 | 文化遺産 |
アクセス | カイロ市内よりバスで約30分(メインの3大ピラミッドエリアまで。) |
時間 | 8:00~16:00(夏期は17:00まで) |
まとめ
今回の内容をまとめると下記になります。
- エジプト旅行は大手旅行会社のツアーを利用すれば比較的安全
- エジプトは日本の3分の2くらいの人口
- エジプトは基本的に豚肉禁止
- 3大ピラミッドはやはり混雑する
- ピラミッドエリアでは窃盗や法外なチップ請求には注意
- スフィンクスは少し離れたところから鑑賞するのがおすすめ
ぜひ、若いうちに多くの謎が残されている神秘的な世界へ旅に出て下さい。エジプトを覗くと、先人の聡明さだけでなく、世界の国々の成り立ちがゆっくりと見えてきますよ。
こんばんは。愛知県在住の男性です。14日21時半発の便でエジプトに行きます。
旅行記大変参考になりました。仕事の関係でアブシンベルの方へは行けませんが、憧れのピラミッドが眼前で見られると思うと今から興奮して寝付けれません。
参考になったとありがたいお言葉を頂戴し、感謝致します。
ぜひ憧れのピラミッドを安全面に配慮しながら満喫してきてくださいね。(*´ω`*)