外務省の海外渡航情報をまめにチェックし、危険情報でレベル1になった時に、エジプトに行ってきました。
なかなか政治や治安情勢が安定しない国なので、渡航のタイミングをつかむのは難しいと思いますが、ぜひチャンスがあったら行って頂きたいと思います。
今回はエジプトに行ってきたときのことを振り返りながら、もし行くならば、このような点に注意してほしいというポイントを中心に、皆さんにお伝えしていきたいと思います。
1.ツーリストポリス(護衛)に注意!
今現在、エジプトは渡航禁止レベルではありませんが、エジプトと言う国はテロ行為を未然に防ぐために、長距離の移動の際には必ずツーリストポリスと言う名の護衛が付きます。(ただし、大型バスの観光のみ)
ピラミッドやアスワンハイダムなど大勢の観光客が押し寄せる観光地は何10台もの観光バスが列を作って大移動し、その前後に警察の車が護衛するという日本では考えられない交通移動となっていました。
治安面が黄色信号を点滅しているような国へ旅される場合は、大手の旅行会社を通じて申し込みをされた方がいいです。料金は割高ですが、安全代だと割り切りましょう。


もちろん、小型車やマイクロバスでのツアーもありますが、やはりこの国を纏う治安・政治情勢を鑑みた時、大型バスでの移動をお勧めします。
私はJTBのツアーで行ったのですが、この時のガイドさんは国からちゃんと資格をもらっている正式なガイドさんでした。だから日本語も堪能でしたし、何よりも日本人に慣れている様子でした。
ちゃんとトイレに対する配慮もできているし、日本人は砂を持って帰るのが好き!ということも把握しているから、ビニール袋を用意して、
「好きなだけ砂を入れて下さーい!」
という砂入れタイムをあらかじめ設けてあったりと、ガイドさんに対しては、何ら不満はありませんでした。むしろ感謝ばかりです。
驚いたのは、1台のバスにつき1人乗ってくるツーリストポリス(護衛)の存在です。


初め、銃を構えてバスに乗り込んできたときは、ハイジャックされたのかと思ったくらい驚きました。しかし、このツーリストポリス、ずっと寝ていて、警備してくれないのです。
私はバス酔いしやすいタイプなので、ずっと一番前に座っていましたから、このような写真がコッソリ撮影できたのですが、ツーリストポリスさん仕事のやる気なし。
私が行ったときは12月の下旬だったので、気候も過ごしやすく、暑さでモチベーションが下がると言った事象は起きないはずです。国民性でしょうか。
もちろん、このツーリストポリスの雇用代金は私たち観光客が支払っています。こんな状態ならば、警備なんか要らないのに…と思いますが、
少しでも雇用を増やしたい!
と思うエジプト側の思惑もあるようで、15年以上も、このなんちゃって警備体制は続いています。他のツアーバスに乗っていた方に写真を見せて、状況を伺ったところ、うちもそんなもんよ~♪と答えておられました。
どうもみんな警備する気はないようですね。このような状態だと、たとえ銃を構えていてもいざとなった時に、このツーリストポリスが守ってくれるという保証は0に近いです。
自分の身は自分で守る。これはこの国でも鉄則です。警備は当てにならないのです。ともかく単独行動はしない。常に集団行動を意識し、自身の身を守ることが大切です。
こちらの国に行く機会があったら、ぜひ心がけて下さいね。
2.食べ物の味には注意!
エジプトの宗教はイスラム教が90%で、そのほとんどがスンナ派です。憲法では国教に指定されています。
その他の宗派では、エジプト土着のキリスト教会であるコプト教会の信徒が9%、その他のキリスト教徒が1%となっておりますが、宗教人口比率から考えても、食事もイスラム色の強いものばかりです。
イスラム教徒はお酒を飲むことを全面的に禁じられています。ワインを使ったフランス料理、みりんや日本酒を使った和食、ラム酒を使ったお菓子なども同じく禁止。
また豚肉も全面的にNGです。豚肉を使った料理はもちろん、ポークエキスが入っているスープやブイヨン、ゼラチンを使ったデザート類もダメ。また、トンカツを揚げた同じ油で揚げられた野菜や魚も食べることはできません。
これは豚がイスラム教において、不浄な動物とされているためです。ではそれ以外の肉、たとえば羊、鴨、鶏肉や牛肉なら食べてもいいのか?
その答えは、「イスラム教のルールに従って屠殺した肉ならOK」。これはどういうことかというと、その家畜の餌にハラールに違反したものが入っていないこと、また屠殺の行為は必ずムスリムがアッラーの御名を唱えて行うことなどの厳密なルールを守った肉ならば食べてもよいということです。
ちなみに魚介類や野菜は普通に食べることができます。聖典コーランにはイスラム教徒が食べてもいいもの、すなわち「ハラールフード」が明確に定められています。
この旅行では、ハラールフードを食してきましたので、それをレポートしたいと思います。


旅行中には、何度かスープと出会いました。コーンスープはクノールカップスープのコーンスープと同じ味。お湯を入れただけ?と思ったくらい。
鳥ベースのスープには、小さなマカロニが入っていました。すごーくお湯で伸ばした感があり、非常に味が薄かったことをよく覚えています。




どの料理も味が薄い。いろんな方がエジプトに旅行され、旅行記をアップしておられるかと思いますが、エジプトの料理がうまかった!と書いている人はほとんどおりません。
素材の味を生かしていると言えば聞こえはいいのかもしれませんが、一味も二味も足りない感じが否めません。上記の料理で1番まともだったのは3枚目の写真に写っているフライドポテト。これは完食しました。
こちらは「ババガヌーク」というなすびのペースト。前菜の定番で、毎回出てきました。言われないとなすびだと分からない味です。
「タヒーナ」というゴマのペーストもよくセットで登場しました。「アシーエ」というパンにつけて食べます。私はそのままパンを食べた方がおいしく感じました。
混ぜご飯のような食事は、あまりおいしくなかったですね。ともかく味がない。
こちらの真ん中にあるのは、「モロヘイヤのスープ」です。モロヘイヤを細かく砕き、煮込んだどろっとした粘りのあるスープで日本人にも親しみやすい味だとか。
飲めなくはなかったです。おいしくはない。エジプト人はこれにご飯を入れて雑炊のようにして食べておりました。
写真の右側にあるのは、「サヤディーヤ」。香辛料を効かせた炊き込みごはんです。左側にあるのは、「タジン」と言う料理です。タジンはトマトソースで煮込んだものが小柄な土鍋に入っています。
通常はシーフードが多いそうですが、私たちの時はチキン。このようにご飯にかけて食べました。これは完食したかな。
これはエジプトのファストフード、「コシャリ」です。マカロニやショートパスタ、ご飯などの炭水化物にレンズ豆やひよこ豆、オニオンフライが混ざっています。
お皿の下の方にあるのは、「ターメイヤ」。ターメイヤはつぶしたそら豆と野菜を混ぜてコロッケのように揚げたものです。スパイスが効いていました。
これは逆に味が濃すぎて(スパイスが効きすぎて)、一口でダウンしました。




比較的まともだったのは、朝食です。ビュッフェなので自分の好きな物を取って食べられるからです。ハムとソーセージは魚肉です。
日本ではグリコのソーセージがお馴染みですよね。私も食べながら懐かしさを感じました。この旅ではランチが期待できないので、私は朝食をがっつり食べるようにしておりました。
気を付けなければならないのが、デザート。すごく甘ーいです。喉が焼けるくらい。思わず飲み込むのを躊躇ってしまいます。なので、あまりデザートにお手を出さないようにしてきました。何よりもフルーツが一番おいしかったです。
非常に極端な国です。現地の人には申し訳ありませんが、あまり日本人の口に合うような料理はないので、こちらに旅行されるときは、鞄にインスタントラーメンなどを忍ばせていかれることをお勧めします。
私は信頼の翼JTBのツアーでしたから、比較的、ツアーの料理もビュッフェが多く、エジプト料理と半々の比率だったので、救いがありましたが、他の会社のツアーとなると、最初から最後までエジプト料理ということもあります。
こちらのエリアへ旅行されるとき、食事つきが多いですが、どのような料理が出るのか予約されるときに確認をしましょう。インターネット上でも調べられますので、事前にチェックしてから出発して下さいね。
3.貧富の差、習慣、気候の違いに注意!




エジプトは発展途上国であり、まだまだ貧しい国です。物価は日本の20分の1くらいです。
ガイドさんの話によると、お墓の中で暮らしている人が大勢いるとのことでした。先祖の墓は自分の土地なので家を持たない人の一部はそこで生活しているというのです。
屋根は無く塀が囲んであり、遺体は階段下の地下にあります。雨が降らず冬もそれほど寒くないので暮らせるようですが、これには非常に驚きました。
首都カイロでもそんなに発展している感はなく、ごみの町がいくつかありました。カイロ中のごみが分別もされず運び込まれます。
その町を通った時、町全体がごみ山で、異臭が襲ってきました。もちろん、お金持ちはいます。ただ日本と違うのは、学校も職場も交通手段も遊び場所も買い物する場所も家も、お金持ちと貧乏な人は場所が違うということです。
このよう国を旅する時、いろんな角度から気を付けなければなりません。
1.日本人男性は気を付けるべし!


上の写真は旅行中の両親を撮影したものです。右側は私の父親です。私の父親はふくよかではありますが、ここまでお腹は出てません。では、どうしてこのような状態になっているのか。
実はこのお腹のところに、ウエストバックを隠しているのです。初日から父親の周りは大変でした。お土産売りのおじさんや、ストリートチルドレンたちが父親にばかり、たかりに来るのです。
その時、決まって目の前でされるサインが、右の写真にある「親指と別の指をこすり合わせるしぐさ」です。これはチップくれ!と言う合図。お土産売りの場合、お土産購入を拒否すると、必ず目の前でこのサインを出してきました。
ストリートチルドレンは、父親の後ろをついて歩いてくるんですね。短気な父親は、ハエを追っ払うかのように、子どもから逃げていました。ガイドさんに伺うと、先入観として、日本人男性=金持ちと言うイメージがあるとのことでした。
この根底にはイスラム教の解釈にも関係しているのかもしれません。元々、イスラム教の教えには「男性も女性も平等に」と説く文言がたくさんあります。
その一方では、「男性と女性は生命体として全く非なるものである。」「男性が金を出して生活をするので女性より上である。女性は男性に従順に。」
というような男女に優劣をつける一文もあるのです。この旅では、私、妹、母親には全くチップの請求やしつこいお土産品の押し売りは滅多にありませんでした。
しかし父親は、酷い時はほんとずっとストーカーのように付きまとわれていたんですね。
彼らの中には、日本人の男は金持ちだけど、女はイスラム教の解釈と同様に、「男性が金を出して生活をするので女性より上である。女性は男性に従順に。」という感覚があり、私たち女は、お金そのものを持ち合わせていないと思っていたのかもしれません。
初日から父親は付きまとわれていたし、ガイドさんの話も伺っていたので、父親のパスポートとお金はすべて私が持ち歩いていました。この国に行くときは、男性の方、注意して下さいね。
2.写真撮影に注意すべし!


イスラム圏では、女性を写真に撮ってはいけないという知識はあったので、女性を撮影しないようにしておりましたが、男性を撮影したら、バクシーシ(チップ)を要求されてしまいました。
左の写真がその時のものです。撮った瞬間、近づいて来るんですね。NO!の意思表示をすると、カメラを叩いてくる。怖いですよ~(涙)だから10エジプトポンド(約120円くらい)を渡して、逃げました。
同じツアー客の中には、撮影していいかと聞いて、OKをもらったのに、チップをせがまれたと愚痴をこぼしていた人もいました。観光名所の中には、モデル気取りの現地人も混じっていますから気を付けてくださいね。
3.親切には気を付けよう!


有名観光地の中に入ると、突然建物の陰から出てきて、写真を撮ろうか?とか荷物を持ちましょうか?とか、ここで写真を撮ると、パワーがもらえるんだよ!などと声をかけてくる人がわんさかいます。
こういう方の指示に従うと、必ず後でバクシーシ(チップ)を要求されます。貧富の差が激しい国であり、インドなどと同様、チップで生計を立てている人たちもたくさんいます。
多少、このようなトラブルに遭っても目くじらを立てないようにすることが大切だと思います。せっかくの旅行が台無しになってしまいます。そして、ある程度のチップトラブルは発生するものだと覚悟して行った方がいいですよ。
4.必ずマスクかスカーフを持って行こう!


エジプトは砂漠気候です。少し歩いただけで鼻の穴が真っ黒です。ピラミッドが数多くある、ギザは砂漠地帯です。
左の写真のように、しょっちゅう突風が吹きます。私は突風対策として、スカーフを持ち歩いていました。砂による被害を防ぐだけでなく、日焼け防止にも役に立ちますから、女性の方は一枚持って行った方がいいですよ。
マスクは遺跡内の見学で役に立ちます。アブシンベル宮殿や最大級の大きさを誇るクフ王のピラミッドの内部は、大変埃っぽく、見学時はずっとマスクを着用していました。


乾燥も強いエリアですから、女性の方は、ハンドクリームも持参した方がよろしいかと思います。
★ちょっとブレイク~エジプトで見つけた珍しいもの~★
ランチ休憩のためにレストランに行く道すがら見つけた、路地の一角にあったお店。はて、何屋さんでしょう。
店員さんもおらず、購入はできませんでしたが、ガイドさんに伺ったところ、こちらは、色とりどりの砂を瓶に入れ、販売している「サンドボトル」屋さんだとか。
この砂を使用して、ピラミッド、ラクダ、カモメなどを書きます。書いてもくれるそうです。こちらでは、そのような職人さんもいるようですよ。
これはホテルのエレベーターのボタン。初めて乗った時は驚きました。この表記だと、自分は何階にいるのか分からなくなりますよね。
エントランスホールはGと表記されているホテルが多いですね。日本で言う、2階フロアが1階になります。−1階は地下1階のこと。
この時のホテルは朝食会場のレストランが2階だったので、エレベーターに乗るまでは、このボタンの指す1階で降りようとしておりました。このような表記の国はヨーロッパでも見られます。注意しましょう。
この国では、どのホテルに入るときも必ず荷物チェックがありました。テロ対策ですね。1997年にルクソールで観光客など63名が射殺される事件が起きてから厳しくなったそうです。
でも荷物チェックは適当。鞄の中を軽く見てOK!という感じ。空港の荷物検査、ボディチェックとは比べ物になりません。この国の大人からは、あまり勤労意欲というものを感じることはできませんでした。
この警備員も、傍に立っているだけなんですよね。いざとなった時、本当にこの人たちは、テロから私たち観光客を守ってくれるのか、心配になります。ちなみにこの機械もいい加減。
傍に人が立っているだけで、肝心の鞄の中を見ている人材はいませんでした。
テロを未然に防ごうとしているのは形だけなのかも知れません。(この方は写真を撮ってもチップを請求してきませんでした。この点はいい人でした。)


これは公衆電話です。携帯電話も普及していますが、日本の倍以上、街中で公衆電話を見かけました。使用できるのかな?と思って受話器に触ろうとしたら、隣に座っているおじさんにチップを請求されました。
右写真の公衆電話はホテル前にあったものです。このおじさんが管理しているのかな?私は電話機だけ写真に撮って逃げてきました。
何の職業か分からない人たち。何の仕事をしているのか分からない人は、エジプトにはいっぱいいました。
こちらの方は、暑いからこの日陰で休んでいるのかな?と思っていたら、ガイドさん曰くリフォーム業者だそうです。神殿などの建物修復を専門にしている人たちだとか。
見た目じゃ、さっぱりわかりませんでした。
この国のポストです。公共にあるものは何かと緑色のものが多かったですね。どんな風に入れるのかなと蓋を開けたら、ごみがいっぱいでした。でもごみ箱ではないそうです。
これが正真正銘のポストだそうです。ちゃんと郵便物は運ばれるのでしょうか。ちょっと心配です。


これが「トリビアの泉」と言う番組で有名になったスフィンクスの目の前にある、ピザハットとケンタッキーフライドチキンです。本当にあるのか確かめてきました。
ガイドさんに伺うと、日本人観光客はやたらこの建物の写真を撮りたがるそうです。番組の影響力は大きいですね。ピザは宅配もしているそうですよ。
4.停電には注意!
これは訪れる前に把握していなかったのですが、エジプトは停電が多いです。また夜中はわざと電気を切っているエリア、ホテルもありました。アブシンベル宮殿があるアスワンエリアです。
アブシンベル宮殿を見学した後だったのでホテルの到着は遅くなりました。急いでお風呂に…と思ったら、このホテル、お湯は30分しか出ないんですね。
妹と同室だった私は、久しぶりに姉妹一緒に入りました。ドライヤーを使用していたら、途中で切れました。どうも電気使用時間が終わったようです。23時でした。
することもないから、大人しくベッドにもぐり就寝。朝は5時ごろ目が覚めました。まだ時差ボケがあるようです。疲れているのに眠れないのは辛いですね。
部屋にいても真っ暗で怖いので、外に出て日の出を見ることにしました。


12月のエジプトの朝はとても寒いです。でも電気が止まっていたから、エアコンもつきません。少し着込みます。私たちが止まったホテルは自家発電がないようでした。
妹が一眼レフカメラと三脚を持っていたのですが、ともかく外に街灯もなく、真っ暗でセットができません。しばらく月の光を頼りに、探り探りセットをしていきます。
日が出てきたのは7時過ぎ。とても美しいサンライズでした。ちなみにこれは海ではなく湖です。ちなみにこの湖には、人食いワニがいるとガイドさんが後から教えてくれました。
エジプトはアスワンエリアだけでなく、電力供給が安定しないエリアが数多くあります。懐中電灯を持っておくと、いざというとき安心です。懐中電灯を持っていなかった私たちは、部屋のトイレに行くときなど、携帯電話の明かりで乗り切りました。
終わりに


エジプトに憧れていたのは私だけではありませんでした。この旅が家族旅行になったのは、父親も永きにわたってエジプトに行ってみたいという思いがあったからなんです。
12月にここを訪れたのは、気候が落ち着いていることと、旅行代金も比較的安いからでした。しかし、この時期を狙って来ている観光客は欧米系に多くて、博物館や御土産屋、免税店は予想以上に非常に混雑していました。
でもそんな中、効率的に主要な観光地を巡ることができて、私以上に、両親も満足していました。


アスワンから首都カイロまでは寝台列車に乗って行きました。私が何度か寝台列車で旅をしており、その話を聞いていた両親は、一度異国の地で寝台列車に乗車いてみたいと言い出し、この移動手段となりました。
タイ、ベトナム同様、日本人が乗車する車両は、一番良い席で、車内では快適に過ごすことができました。夕飯と朝ご飯が出てきましたが、この味はご愛敬。
でも車内ではぐっすりと休むことができたようで両親も元気でした。


さまざまなトラブルにも見舞われましたが、世界遺産を多く巡り、良い面だけ見たら、良い親孝行の旅にもなったのではないかと思っています。






ナイル川の東岸を代表する名所といえば、カルナック神殿やルクソール神殿です。カルナック神殿は、守護神アメンと太陽神ラーが結合したアメン・ラーを祀っています。
その規模はエジプト最大級といわれています。特にルクソール神殿は、とてもきれいな状態で保存されており、世界中から多くの観光客が押し寄せていました。
この2つの神殿はかつて3kmに及ぶスフィンクス参道で繋がっていたと言います。今もその一部が残っており、スフィンクスがずらりと並ぶ姿からは、とても神聖なものを感じました。




私が一番印象に残っているのは、ハトシェプスト女王の葬祭殿です。古代エジプトで最大級の大きさを誇ると言われています。保存状態も良好です。




この旅でお世話になった、ガイドのワダさん。流ちょうな日本語で、解説も分かりやすかったです。この国ではガイドはとても位の高い仕事です。この方は母国語であるアラビア語と英語と日本語が話せる方です。
来ている服からしても、エジプトでは大変裕福な暮らしをしている方です。
JTBのツアーではガイドさんに対してチップを支払うことがないので、私たちツアー客は、ワダさんがお土産に作ってくださーい!と言ってきたTシャツを購入しました。
このTシャツには、古代エジプト文字のヒエログリフで自分の名前を縫ってくれます。(好きな言葉でも可能。)ツアーの2日目くらいで申し込み、最終日にもらえました。
料金は40円弱。お値段は高めですが、良い記念になりました。このTシャツはエジプトエリアの授業でも着用して使っていますが、たいていは寝間着になっています。(ちと、サイズが大きすぎたから。)


世界遺産から悠久の時を全身で感じると同時に、依然として、この国の腫瘍となっている、政治的な問題点にも否応なくぶつかってしまう旅行でした。
自分たちの暮らしがいかに恵まれているのかは、別に街を見なくてもホテルの中でも十分に感じられます。テレビはブラウン管のままのホテルもありました。
時間帯によっては電波が安定せず、白黒放送になるときもありました。両親は懐かし~と言って見ておりました。(笑)
3大ピラミッドエリアにある井戸では、こぞってお金をみんな投げ入れていました。でも、このお金は観光客がいなくなると、蓋が開けられ、このあたりをうろうろしている現地の人に持って行かれるそうです。
だから、入れないで下さいね、とバスの中でガイドさんが言っておりました。さまざまな側面から学び、考えさせられる国、エジプト。ぜひ治安が落ち着いているうちに一度、旅してみて下さいね。
9月に行くので勉強になりました。
参考になったのであればとても嬉しいです。