本年度になり、私がツアーコンダクターの免許を取ったことを知っている生徒さんからの質問です。

よく新聞のチラシや旅行パンフレット等で格安旅行と出会いますが、記載されている旅行代金があからさまに安すぎるんじゃないの??と思ってしまうものがありますよね。

なんでこんなに安く提示できるの?なんか裏があるんじゃない?そう思われる方が多く存在しても仕方がないと思います。
安くできる方法はいくらでもあります。
有名なものからご紹介していきますね。
1.観光を付けない。添乗員同行プランにしない。フリープランにする。
当然のことですが、航空代金、ホテル代のみにしたら安く上がります。その都市の観光などはオプションで別途手配のツアーはとても多いのです。
2.食事なしにする。
これは国内ツアーでもよくあるパターン。食事なしにすると初期投資が少ないから、パンフレット等へのツアー代金の提示も格安にできます。このようなことをやる旅行会社は別途、食事手配のオプションを必ず設けているので、そちらで採算をとるような感じです。(でも注文を取らなきゃならない添乗員さんは大変ですよ!)
3.日本の航空会社を使用しない。
日本の航空会社はともかく高い。その分、サービスも良いですが、日本の航空会社を使用すると旅行代金が急激に跳ね上がります。だから旅行会社は、その部分を安く抑えるために、日本に乗り入れしている安い価格の外国の航空会社を手配します。
ヨーロッパエリアの旅行においてだと、フィンランドエアライン、カタール航空、ターキッシュエアラインズなどが安いですね。このような航空会社の場合は、必ずと言っていいほど、乗り継ぎになっているはず。直行便はどの航空会社も高いんです。でも日本の航空会社よりは安いかな。(笑)往々にして、アジアの航空会社は安いと言われています。日本人の好きなハワイツアーで4泊6日で、22万円を切っている場合、大体は日本の航空会社でなくて、アジア系のはず。(この価格は夏場の場合。年末年始はもうちょっと値段が張ります。)
アジア系の航空会社バビジネスクラスの料金も欧米系の航空会社に比べて安く、大韓航空などはエコノミークラス+20万円でつけることができます。格安ツアーの場合、必ずどこの航空会社を使用しているか、注意してみて下さいね。
4.ホテルのランク及びクオリティを下げる
これもよくあるパターン。
ホテルを5つ星ではなく、3つ星、4つ星クラスにするとか。あと細かい話ですが、そのホテル内にある部屋でも、すべて同じ価格で提供しているわけではないので、そのホテル内でも、安めの部屋を手配してもらうとか、頭を使うわけです。
ホテル内での工作に関して、よくあるパターンはバスタブ(浴槽)あり、無しで値段を替える感じですね。
だから同じホテルを使用する海外旅行ツアーでも旅行会社によって値段が違うということがあるんです。
J旅行会社の場合、パリ5日間20万円で提供していたものが、H旅行会社の場合、パリ5日間18万円だった…と言うのは、このような場合。2万円程度ならホテルのランク、部屋のクオリティーを下げての提供だと思ってください。5万円近く変わってきていたら、航空会社などもチェックした方がいいですね。団体ツアーでの参加を検討されている場合は、必ず、いろんな旅行会社のパンフレットを見比べましょう!!
5.免税店やレストラン、オプショナルツアーなどのバックマージンで利益を得る。
格安ツアーの場合、これが一番多い!ツアーで参加されたことがある方はピンと来るはずです。やたら免税店への立ち寄りが多いなぁ。トイレ休憩と添乗員は言いながら、やたらお土産屋さんに連れてくるなぁ。
そうです。お客さんをお店に連れてくることによって、その売り上げに応じて、
リベート(キックバック)を旅行会社は受け取り、それを売り上げに補填しているんですね。
極端なツアーがあります。
某旅行会社において、トルコ10日間のツアーが 10万円以下で出ているものがあります。
これ、普通ならあり得ません。
航空券=40000円(団体割引で手配)
観光+ホテル+人経費など=70000円
その他の経費=10000円
ざっと計算してもこれくらい。2万円の赤字が出ます。じゃあどこで補填するのか。
みなさん、トルコの名物と言えばなんでしょう。
そう、トルコの絨毯です。
必ずツアーでは絨毯屋に連れていきます。そこでお買い物をさせて、その売り上げから買い物手数料として、その旅行会社は40000円ものリベートをいただくんです。
トルコの絨毯って、吹っかけて観光客に売られているんですね。
トルコの赤字ツアーも40000円のリベートが入ることを見込んで、旅行をスタートさせているんです。
でも、こういうのはまれ。だって、お客さんが買わなかったら、旅行会社は赤字のまま帰国ですよ。
まぁ、このようなツアーもあるという程度に覚えておくといいですよ!
※中近東エリアへの旅行において、お土産屋さんに連れて行かれたら、ちゃんと値切りましょう!これとても大事です。だって最低、倍の値段になっていますからね!